1. ホーム
  2. よくあるご質問(お詫びとお願い)
  3. インチアップ時のタイヤサイズについて

インチアップ時のタイヤサイズについて

先日、お客様よりインチアップについてのご意見を頂きました。内容は、当社よりおすすめしている推奨サイズがメーカーとしては推奨されていないという事についてでした。

インチアップに際して、適正サイズの設定については当ホームページの「タイヤのお勉強」のコンテンツ内で解説しております。要約しますと、純正タイヤ、その空気圧においてのタイヤの負荷能力を基準とし、その負荷能力を維持するように設定するという事になります。これはタイヤの設計、強度基準である「JATMA(日本自動車タイヤ協会)」の規格に則ったもので、タイヤメーカーより指導、教育を受けたものです。

今回、ご指摘を頂いたのは、例えば195/65R15を205/55R16にインチアップするという、自動車メーカー純正でもよく行われるインチアップを推奨外とするものです。その理由は荷重指数(ロードインデックス=LI)が純正より不足するからという事です。

タイヤサイズ 荷重指数 最大負荷能力
195/65R15 91 615kg
205/55R16 89 580kg
215/45R17 87 545kg
225/45R17 90 600kg
225/40R18 88 560kg

上記の図のように荷重指数は195/65R15を基準とすると、一般的なインチアップサイズの16インチ、17インチ、18インチは全て荷重指数が低下し、推奨外のサイズとなってしまいます。メーカー推奨サイズは下記の表になります。

タイヤサイズ 荷重指数 タイヤ外径
195/65R15 91 635mm
215/55R16 91 643mm
215/50R17 91 647mm
245/40R17 91 628mm

確かに、荷重指数は低下していませんが、外径はバラバラです。

そもそもインチアップというのは「外径を変えずにホイールの径を大きくする事」です。これは、タイヤの負荷能力は外径に比例しているからで、その為、軽い車は外径の小さいタイヤを、重い車は外径の大きいタイヤを装着されています。これは内部構造によるものですが、インチアップが進むと、負荷能力との関係は崩れてきてしまいます。その分、タイヤ幅を広くして負荷能力を維持することが出来ますが、装着上の問題があります。具体的には16インチ辺りから荷重指数が低下していく事になります。構造上の問題ですから、これは設計、製造しているメーカーが最もよくご存知の事とは思いますが・・・

では、インチアップはできないのか?実は、純正の負荷能力を維持する事で安全性を確保しながらインチアップする事は可能です。タイヤの負荷能力はタイヤサイズだけでなく、タイヤに充填される空気圧によって変動します。タイヤカタログなどに記載される荷重指数と負荷能力の表に記載される負荷能力は、最大負荷能力で、タイヤに充填することの出来る最大の空気圧、240kpaでの負荷能力をあらわしています。空気圧が下がれば負荷能力は下がります。空気圧とタイヤの負荷能力の関係を表したのが下記の表になります。JATMAのイヤーブックよりの抜粋です。

負荷能力
荷重指数 180kpa 190kpa 200kpa 210kpa 220kpa 230kpa 240kpa
91 520kg 535kg 555kg 570kg 585kg 600kg 615kg
90 505kg 525kg 540kg 555kg 570kg 585kg 600kg
89 490kg 505kg 520kg 535kg 550kg 565kg 580kg
88 475kg 490kg 505kg 520kg 530kg 545kg 560kg
87 460kg 475kg 490kg 505kg 520kg 530kg 545kg

例えば、195/65R15の純正タイヤサイズで指定空気圧が200kpaであった場合、タイヤの負荷能力は555kgに設定されている事がわかります。これを205/55R16にインチアップした場合、荷重指数は89になりますが、空気圧を220kpaとする事で負荷能力550kgが確保される事になります。これは、タイヤの強度規格を基準としていますので、実際にはメーカーは安全率などを見込んでますから、実用上の問題は無い事になっています。

当社の推奨するインチアップでの適正サイズ、その空気圧の設定は、このような理論から成り立っております。ご指摘を頂いたタイヤメーカー以外にも、荷重指数の低下を推奨しないというメーカーはありましたが、この理論で問題無いというメーカーもあります。JATMA(日本自動車タイヤ協会)の意見としては、安全上の観点から荷重指数の低下しないサイズ変更をお願いするという事です。

確かに、空気圧によってタイヤの負荷能力は変動しますので、1ヶ月でタイヤの空気圧の自然低下は10%程度、つまり先の表からしまうと荷重指数が2ポイント低下するのと同じになります。こまめな空気圧の点検は必須になりますし、極端なローダウンなどでアライメントが不適切であった場合など、タイヤの負荷能力は大きく低下してしまいます。

当社としては、タイヤの適切な使用をお客様にお願いしながら、解説してきました理論の元、今後も適正なインチアップサイズをおすすめして行きたいと思っております。

インチアップした場合には、こまめなエアチェックが必須です。適正サイズでのインチアップをおすすめします。アライメント不良もタイヤに大きく影響しますので、適時の調整をおすすめします。ドレスアップ(引っ張り、極度なローダウン)には、リスクがある事をご理解ください。

今後とも、確実な作業を心がけていきたいと思っております。
なにとぞご理解の上、ご協力お願いいたします。